大学入試をゲームに喩えてみた

雑記

日本には、多くの国民が熱狂する大規模なゲームが存在するようだ。

なんでも、1年に1回しかプレイできない希少なゲームらしく、1年前からゲームへ向けて練習する人も珍しくないらしい。中には3年前、6年前にも別のゲームをプレイするガチ勢もいるそうだ。

ゲームの仕組みはこうである。「モンカショー」によって作成された「キョーテ」と呼ばれる第一ステージでプレイヤーがふるいにかけられ、第二ステージに進む者を選抜、そして第二ステージにてゲームクリア者が決定される。

ゲームの口コミを見てみると、「今後の人生が左右される」「このゲームでも頑張れないやつはその後も頑張れない」など、いかにも詐欺のような話が多い。

それでも毎年50万人以上のプレイヤーが熱狂するのは、よほどゲームが楽しいからであろう。

実際、「キョーテ」ステージは実に興味深い。

プレイヤーは試験前に色塗り用紙を配られ、そこに正しい配列で色塗りすることを求められる。ただし、ヒントとして冊子も同時に配られるので、多くの人はヒントをもとに色塗りをするようだ。他のゲームとは違う、実に奇妙な方法である。一部のプレイヤーはヒントを読み解けず、前後の色の配列から次の色の配列を推測するということもしているらしい。この独特のゲーム性が多くのプレイヤーを惹きつける理由であろう。

そして第二ステージもまた面白い。

第二ステージ最難関の「トーダイ」では、ゲーム前に冊子と、ほとんど白紙の紙を渡され、そこに冊子に書かれたヒントをもとにポイントになりそうな文字を書かなければならない。そのヒントというのも最難関というだけあってごく最小限に抑えられており、「スーガク」では数行のヒントから読み解くことで大量の文字を書かなければ良いポイントをもらえないようにできている。

このような奇妙なゲームであるため、多くのプレイヤーはゲームを楽しむために「参考書」と呼ばれる攻略本を利用しているようだ。

このゲームでは攻略本が非常に人気で、ゲーム前に数十冊も読破する人も珍しくない。ゲームクリアしたいのはわかるが、攻略本を攻略するというわけのわからない行為に陥る人もいるようである。

また、驚いたことにこのゲーム、クリアしたい人が大勢いるということで、専用のゲーム教室が全国展開している。

S,K,Y,Tなどの頭文字で知られるゲーム教室にゲームプレイ予定の者たちが押し寄せ、彼らが「神」と呼ぶ方々に教えを乞うているのである。中には「神」の言葉に酔ってしまい、「神を冒涜するな!」と怒り始めたり、「この人を信じていれば救われる」と思ったりする人がいるようだ。まるで新興宗教である。

この異常なゲームだが、その異常性ゆえか、年齢制限がある。「高3」以上でしかプレイできないようで、ほぼCEROレーティングでいうところのZ指定である。ゲーム終了後に泣き始める人もいるというその過激性を考えると十分納得がいくだろう。

さあ、あなたも、この狂ったゲームを体験してみないか?

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