数学自作問題パート2【解答編】

数学

数学自作問題パート2の解答です。

問題を先に貼っておくので、まだ解いていないという方はぜひとも自力で解いてみてください。

では、以下解答になります。パート1ではペイントで解答を書きましたが、今回は論証が少し長いので、解答の概要をテキストで説明するという形でいきます(“概要”ですので、記号の導入などを端折っていますが、そこらへんは察してください)。ちなみに、この問題は京大数学2010年第5問を参考にしているので、先にそちらを見ることをおすすめします(https://www.densu.jp/kyoto/10kyotospass.pdf)。

解答の概要

まず、10!を素因数分解し、

10!=2^8・3^4・5^2・7

a=3^4・5^2・7 とおいて 10!=2^8・a とします。

このとき、3^(10!)-1=3^(2^8・a)-1={(3^a)^(2^8)}-1

であり、A=3^a とおくと、題意の式は

A^(2^8)-1

です。

これは、上述の京大の問題において3を一般の奇数にした場合と”似て”いるので、方針としては、

  • A^(2^8)をA^(2^n)と一般化し、n=1のとき2で何回まで割り切れるかを調べ、その後数学的帰納法により一般のnに対して2で何回まで割り切れるかを証明し、最後に8を代入して求める。
  • ただし、A=3^a (aは奇数)であることに注意する。

といったところです。(京大の問題を前提とすることなしにこの解法を発想する方法もありますが、それはもっと後で述べます。)

ですので、まずA^2-1 が2で何回まで割り切れるか求めるために、

A^2-1=(A-1)(A+1)

より、A-1,A+1それぞれについて2で何回まで割り切れるか求めます。

A-1=3^a-1=(3-1){1+3+3^2+…+3^(a-1)}=2b (bは奇数 ∵aは奇数)

A+1=A-1+2=2b+2=2(b+1)  …①

ここで、

b+1=2+3+3^2+…+3^(a-1)=2[1+3{1+3+3^2+…+3^(a-2)}/2]  …②

またここで、

1+3+3^2+…+3^(a-2)=(1+3){1+3^2+3^4+…+3^(a-1)}=4c  …③

②,③より、

b+1=2(1+6c)

これと①より、

A+1=4(1+6c)

以上より、

A^2-1=(A-1)(A+1)=8b(1+6c) (bは奇数、1+6cはcの偶奇にかかわらず奇数)

だから、A^(2^n)-1は、n=1のとき、「2^3・(奇数)」の形で表せるとわかります。

また、n=k(kは1以上の整数)のとき、A^(2^k)-1=2^(k+2)・d (dは奇数) と表せると仮定すると、

A^{2^(k+1)}-1={A^(2^k)-1}{A^(2^k)+1}=2^(k+2)・d{2^(k+2)・d+2}=2^(k+3)・d{2^(k+1)・d+1}

より、n=k+1のとき A^{2^(k+1)}-1=2^(k+3)・(奇数) と表せます。

よって数学的帰納法により、

A^(2^n)-1=2^(n+2)・(奇数)

と表せることが証明されました。

ここでn=8を代入すると、A^(2^8)-1=2^10・(奇数) となりますので、A=3^a、a=3^4・5^2・7、であったことを思い出すと、

答えは10とわかります。

なぜこの解法を思いつくのか

ここで、なぜ数学的帰納法を使ってあのような式を証明することを思いつくのか、僕なりに説明してみようと思います。

まず、問題を見たとき、割り切れる回数なので素因数分解して2^n・(奇数)といった形で表すことを目標とします。そしたら次は、2^nを作り出せばよいわけですが、3^(10!)-1からだと、この式の形状を利用して(3-1)(3+1)(3^2+1)(3^4+1)…[3^{2^(m-1)}+1]とすれば、3^(2^k)+1がkが1以上のときに2で一回のみ割れるという予想が立てられるので、3^(2^m)-1に対しては、問題が解けると予想が経ちます。しかし実際は(2^m)ではなく10!であるので、素因数分解により、3ではなく一般の奇数(解答ではA)に対しても解けることを望んで解き進めていくことになります。その”望み”(とはいえ最初の数個から予想は立っている)は「A^(2^k)+1がkが1以上のときに2で一回のみ割れる」というものですから、これは数学的帰納法により順々に証明できるとわかり、上述の解答のようになります。

関連命題

3^(10!)-1が何回まで2で割り切れるかという問題でしたが、自然な発想として、3^(n!)-1に対してはどうなるのか、ということになると思います(ここのnは解答中のnと無関係であることに注意)。

この場合、n!を素因数分解したときの2の指数は、ガウス記号[ ]を用いて、

[n/2]+[n/4]+[n/8]+…+[n/(2^k)]+…

というような形になるはずです。

よって一般のnに対してはガウス記号を用いれば式を出せると思われます。

ここで、上式のガウス記号を無視してみると、無限級数の和はnに収束します。

それゆえ、ガウス記号がほとんど無視できるような場合、すなわちnが無限大の場合、その答え(2で何回割り切れるか)をNとおくと、N=n+2となるはずなので、N/nは1に収束すると予想されます。

僕はこの証明をしっかりとはしていませんが、おそらく正しいので、ガッツのある方はぜひとも証明してみてください。

また、3ではなく4m-1(mは自然数)の場合にも答えがまったく同じになるという予想も立ったので、証明してみるといいと思います。

最後に

難しめの問題でしたが、解答には満足していただけたでしょうか。何か不備や新しい解法の発見などがあれば、コメント欄にて知らせてくださると幸いです。

では、また次回の作問でお会いしましょう!

問題はこちら↓

パート1の問題、解答はこちら↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました